3月11日付で本田悦朗内閣官房参与がスイス大使に任命された。「盟友への論功行賞」「身内重視の批判をかわす思惑」などの観測や、「本田氏の首相への進言の機会が減ると増税判断など政策決定に影響が出る」といった見方もあるようだ。 本田氏は元財務官僚であるが、外務省出身者のように海外勤務が豊富だ。在ソビエト連邦大使館、在ロサンゼルス総領事館、在ニューヨーク総領事館、在米大使館などで勤務経験がある。外務省の審議官も務めており、財務省と外務省のどちら出身なのかわからないほどだった。 筆者が旧大蔵省に入省したとき、本田氏は隣の課で係長をしていた関係で、その後も親しくしていただいた。本田氏の米国赴任中、筆者が出張した際には必ず訪問させていただいたものだ。 実は、本人から直接聞いたことだが、本田氏は以前から海外勤務を希望していた。 スイス大使は、前内閣法制局長官であった故小松一郎氏も務めた、外務省でも格の高い