いくつもの傑作に出会うことができた 2022年2月1日、石原慎太郎が亡くなりました。享年89歳。 メディアでは追悼の意味が強いからか、慎太郎がなした功罪の「功」を中心にした報道ばかりが目につきますが、SNSではかなり事情を異にしていました。もともと毀誉褒貶はなはだしい人物ではあったのですが、ツイッターにおけるわたしのタイムライン上には容赦ないまでに「毀」と「貶」が並んでいたんです。 わたし自身、大森望さんと続けてきた『文学賞メッタ斬り!』シリーズでは、長らく選考委員を務めた氏の選評での悪文を「てにをはヌーヴォーロマン」と揶揄し、その狭量な小説観をバカにし、東京都知事時代には傍若無人な差別発言や社会的弱者に寄り添わない政治家としての姿勢を激しく糾弾してきたものです。が、しかし、石原慎太郎は小説家でもあったんです。 2013年9月、栗原裕一郎さんとの共著『石原慎太郎を読んでみた』を原書房から刊
![追悼・石原慎太郎「政治家ですか? 小説家ですか?」と問うと「小説家に決まってるだろっ」と気色ばんだ(書評家・豊崎由美) - QJWeb クイック・ジャパン ウェブ](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/47020d0b074d1ef3747566f1f97d1b074597a404/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fqjweb.jp%2Fwp-content%2Fuploads%2F2022%2F02%2Fjournal_0206.jpg)