→紀伊國屋書店で購入 丸谷才一はすぐれた入門書は「偉い学者の書いた薄い本」、読む価値がないのは「偉くない学者の書いた厚い本」だと書いた。これは至言であるが、「偉い学者の書いた薄い本」の例としてあげられているのは荻生徂徠の『経子史要覧』とコーンフォードの『ソクラテス以前以後』だけだった。漢学と哲学についてはこの二著で間違いないが、それ以外の分野はどうなのか。数ある入門書の中から「偉い学者の書いた薄い本」を選び出した本がないものか。 かねがねそう思っていたところ、匿名書評家<狐>こと山村修が本書を書いてくれた。日本語、文学、歴史、思想史、美術史という五つの分野について、夫々五冊の「偉い学者の書いた薄い本」を推薦し、詳しい紹介をつけてくれた。最近の本もあるが、多くは山村が何十年も手元におき、折にふれて読みかえしてきた本だけに、紹介は実にゆきとどいていて、すべての本を読みたくなった。「偉い学者」だ
![『<狐>が選んだ入門書』 山村修 (ちくま新書) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/40ff1eed23637b7934c9846f0186564e4560b678/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fcdn-ak.f.st-hatena.com%2Fimages%2Ffotolife%2FK%2FKinokuniya%2F20180502%2F20180502193709.jpg)