つまり、適応している場合には、何かの出来事があっても、合理的な信念によって、適切な感情や行動が生じる。この場合には、カウンセラーの介入は不要である。しかし、不適応な場合には、何かの出来事があり、不合理な信念を持っているために、不適切な感情や行動が生じる。この不適応な場合には、不合理な信念に対してカウンセラーが論駁(反論すること)し、合理的な信念に変容することで適切な感情や行動を生じさせるのである。 ところで、不合理な信念にはいろいろな種類があるが、代表的なのは現実を無視して本人が勝手に「・・・でなければならない」と決めているような信念である。また、実際我慢しなければならない事態になれば我慢できるにもかかわらず「・・・は我慢ならない」とか、実際には不都合である程度であるのに「・・・ではやっていけない。」など、事態の評価が過度にひどく評価されているような信念も代表例である。このような信念につい