日本が武力占領を経て設けた、かいらい国家の満州国(現中国東北部)に、幻の地下鉄整備構想があった。大阪市営地下鉄(今の大阪メトロ)が作った計画書には、乗客を格付けしようとした形跡もあるという。2022年は満州国建国から90年。専門家は、日満がうたった民族協和の本質を問い直す。 大阪市公文書館が開示した1940年の「奉天市地下鉄道計画書」などによると、奉天(現在の瀋陽)は、工業で発展し57年には人口300万人に達するとして「満州第一ノ大都市」と位置付けられた。路面電車や乗合自動車に続く公共交通として、地下鉄の必要性が説かれた。 一方で有事の際には「交通ノ確保ヲ図リ一面空襲時ノ一時的避難所トシテ利用セラルル」といった記述も。日中戦争が続き旧ソ連との関係も緊張が高まる中、防空壕(ごう)としても検討された。
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