アルコール依存症の人と、そうではない人の境目はどこにあるのだろうか。ある国立病院機構病院の精神科の医師に尋ねたことがある。 「依存症になっている人は分かる。なっていない人も分かる。だが、その境目は分からない」 医師はそう答えた。境目には「グラデーション」がかかっている。しかし、アルコール依存症である人と、そうではない人は区別できるという、えたいの知れない疾患がアルコール依存症のようだ。 ◇グラデーション 筆者もかなり酒を飲む。病気の時や原稿の締め切り前などで身動きが取れない時を除いて、毎日のように飲んでいる。では、アルコール依存症なのだろうか。分からない。恐らくはグラデーションのどこかをさまよっているのだろう。グラデーションとは、写真や絵画などの表現で、明暗や色調が連続的に変化していくことを言う。境目ははっきりしないが、グラデーションの両端では白と黒ほどの違いがある。 アルコール依存症の境
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