国立天文台、東大カブリ数物連携宇宙研究機構などは13日、米ハワイ島にある「すばる望遠鏡」に、従来の7倍の広視野のカメラを設置し、早ければ10月にも初撮影を行うと発表した。 試験観測を続けた後、来年8月から本格観測を始め、5年かけて数億個の銀河のデータを集める。宇宙に満ちている正体不明の暗黒物質の分布地図を作るのに役立つと期待される。 新たな巨大デジタルカメラは約8億7000万画素の高解像度で、高さ3メートル、重さ3トン。国立天文台や国内の企業が協力し、2002年から10年かけて開発された。昨年8月から組み立て、すばる望遠鏡に先月、搭載して作動確認を行った。 本格観測では、主に暗黒物質の観測を行う。暗黒物質は、重力によって銀河や星などが誕生する骨格のような役割を果たしたと言われる謎の物質。目には見えないが、暗黒物質の持つ重力が光を曲げるため、同機構などでは銀河の光のわずかな曲がり具合を