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  • 月300冊の読み聞かせの時間が私にくれたもの|安田菜津紀(フォトジャーナリスト)

    今でも時折、母と語る幼い頃の思い出があります。 私の母は絵の読み聞かせにこだわる人でした。人を無為に傷つける人間とならないよう、内面を豊かにするには絵が必要だと考えていたようです。その冊数はなんと月に300冊!1日に10冊近くもの絵を読んでくれていたのです。この話をすると多くの人は「そんなにたくさん…!」と驚きます。 母の絵かばんに、いくつもの図書館のカードが束になってぶら下がっていたのを今でも覚えています。ある図書館で絵を読みつくしてしまうと、また次へ、また次へと巡っていくのです。自転車で行ける範囲の図書館を一巡した頃、最初に通っていた図書館に新しい絵が入っているのでまた探しに行く、ということの繰り返しでした。 ある時、母がいつになく真剣な面持ちで、1冊の絵を手に取りました。いまだ読み継がれている、佐野洋子さんの「100万回生きたねこ」です。自ら誰を愛することもなく、ただ生

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