岩澤信夫「究極の田んぼ−−耕さず肥料も農薬も使わない農業」(日本経済新聞出版)が過激な自然農法を提案している。まず、有機農業を否定する。有機農産物は危険だと驚くようなことを言う。 JAS(日本農林規格)法による日本の有機農法は、非常に変則的な形を取っています。それは有機物の主体が、畜産糞尿に由来するコンポスト(堆肥)だからです。実はこの畜産糞尿が問題なのです。アメリカなどの有機栽培は、自分の経営する牧場の糞尿ではなく、完全な有機畜産の認証の取れた牧場からコンポストを購入し、これを主体に有機栽培が仕組まれています。なぜ有機畜産の牧場からコンポストを購入するかといえば、自分の牧場では、飼料工場で生産した濃厚飼料を食べさせているからです。購入したこの配合飼料には、抗生物質、ホルモン剤などの動物薬が、大量に配合されているのです。日本子孫基金などの資料によると、わが国で1年間に使われる抗生物質は、病