伝説 アメリカで歴史上、最も有名なマジシャンにハリー・フーディーニがいる。彼は、警察が使用している本物の手錠や牢獄から何度も脱出して見せ“脱出王”の異名を持つと同時に、多くの霊媒のイカサマを暴露して“サイキック・ハンター”としても名を馳せていた。 そんな彼が霊媒のイカサマを暴露していたのは、亡き母と交信するために本物の霊媒を探し求めていたからである。フーディーニは母の生前、母との間である「合い言葉」を決めており、その合い言葉を言うことができる霊媒を探し求めていた。 けれども残念ながら、そうした霊媒は見つからなかった。そこで彼は母との交信はあきらめ、霊界の存在を確かめる方法を考える。妻のベスとの間で「暗号」を決めておき、自らの死後に、その暗号を使って霊界からメッセージを送ることにしたのである。 暗号は2人だけが知る秘密のもので、この暗号を霊媒が伝えられれば「本物」だと認められる仕組みだった。