この2年間、フォントのレンダリングソフトについて性能の限界を追究してきました。結論は、Rustで書かれたフォントレンダラ font-rs が、業界標準のFreeTypeに比べて、マグニチュード単位のレベルで速いということです。現時点ではこれは製品レベルのライブラリではなく技術的なデモではありますが、その速さを解析するに十分すぎるほどの理由になります。今回の投稿では、目を見張るようなパフォーマンスがどうやって生まれたのかを正確に記すつもりです。 測定結果 最初に数値について説明します。以下は、pixels/emの値を 1から200の間で変化させて、Roboto Regularフォントの「g」のレンダリングに要した時間を測定した結果です。測定は2.9GHzのXeon E5-2690で行いました。比較したレンダラは、FreeType2.6.5、純正Rustのみのfont-rs、SIMDで加速した