左翼が本来持っていたダイナミズムが失われて久しい。いまや自壊した左翼は「大同団結」を唱え、そのための合言葉を探すだけの存在になってしまった。怠惰な団結をきれいに分離し、硬直した知性に見切りをつけ、横断的なつながりを模索すること。革命の精神を見失った左翼に代わって、別の左翼(オルタナレフト)を生み出すこと。それがヘイト、分断、格差にまみれた世界に生きる我々の急務ではないか。いま起きているあまたの政治的、思想的、社会的事象から、あたらしい左翼の可能性をさぐる連載評論。 ぼくの場合には、あれはおととしの横須賀であった原潜闘争の時のことなんですけれども、要するにデモが前でつまずいたわけですよね。まあドジな話で。それでころんで、逃げてくるときだから、五、六人バタバタバタと上へ乗って、全然自分であがいても逃げられない。けっきょく、そのとき女の子が一人きて、肩へ手を入れて引っ張ってもらうとズルっと抜けた
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