《新型コロナウイルスは米軍やフランス軍の空母で感染者が続出するなど、軍事分野においても猛威を振るっている。 一方、自衛隊は「ダイヤモンド・プリンセス号」での対応で派遣隊員から一人も感染者を出すことなく任務を完遂した。 その「勝因」は何なのか。未曾有の危機をいかに乗り越えるのか。自衛隊制服組トップである山崎幸二統合幕僚長に、自衛隊の底力について聞いた(聞き手:『Voice』編集部・中西史也)》 ※本稿は月刊誌『Voice』2020年7月号、山崎幸二氏の「『未知なる脅威』から国民を守る」より一部抜粋・編集したものです。 地下鉄サリン事件、東日本大震災の経験を活かして――新型コロナウイルスへの対応に世界中が苦慮しています。わが国の平和と安全を守る自衛隊として、この事態をどう受け止めていますか。 (山崎)国家の危機であることは間違いありません。この難局に立ち、防衛省・自衛隊のみならず、関係省庁が総