僕の笑いを目指した創作物に関する観念を言葉にするなら「物語の中で脈絡のないものにリアリティを感じられるか」というものです。笑いに限らずなんでもそうかも知れませんけど。 みんな知らない世界を見たがっているけど、知らない世界でもメチャクチャすぎると世界としてのリアリティが感じられないから面白くない。リアリティを保ちながらどれだけ脈絡のない世界を作れるか、ということになります。 そのリアリティは、皆さんそれぞれが今まで得てきた知識そのものです。 一時期、「トレンディドラマあるある」みたいなものが流行りましたが、あのそれぞれの「あるある」がリアリティなのです。ドラマだったらこうするよね、という感覚が、自ずと次に起こることを予想させる。その、人によって予期されるそれぞれが、リアリティです。だから人によって違う。 僕が本来のリアリティの意味である「現実感」と区別するのは、もう既に日常生活がフィクション