高度成長期頃に巻き起こった手芸ブーム。 わたしは今、その渦中で発行された手芸本を集めるのにハマっている。 そして、当時の手芸本(主に編み物本)を読み漁る上で、どうしても見過ごせない存在がいることに気付いた。 『彼』だ。 当時の手編み界隈で旋風を巻き起こした一大ジャンル、それが「『彼』のセーター」だった。 なぜ、編み物本は『彼』を必要としたのか。編み物本における『彼』とはなんだったのか。 今回は、実際にセーターを編みながら、編み物本における『彼』の存在について考えていく。 手始めに、わたしが最近ゲットしたイチオシ手芸本の表紙を見てほしい。 (※「絵を見て編む ギャルのセーター/ニットのデザイン・津川良 絵・秋月志穂」(日本ヴォーグ社)書影) もうこの時点で最高。 その名も「『絵を見て編むギャルのセーター』シリーズ(全3作品)」。 幻のレーベル『VOGUE COMIC BOOKS』。 (※左か