また座談会の話を引っぱってしまうが,「論文」を書く力(以下,「論文力」とする)をどうやって高めるか,という趣旨の質問も多かった。 新司法試験の最大のヤマ場は論文試験である*1。座談会での質問に対する答えは場当たり的にしてしまった部分もあるため,今回から新司法試験の論文について,考えてきたことを何回かに分けて書いていこうと思う。 論文の対策については,いろんな人がいろんなことを言うように,何か特定の方法が正解というわけではない。ただし,試験までの勉強時間は限られているだけに,やみ雲に何かに取り組むというのではなく,自分の弱点がどこで,そこに効く勉強は何か,ということを考えながら対策を打つというのは重要なことだ。 「弱点」を考えるには,「分析」が必要になる。例えば,「利益を増やす」というゴールを達成するためには,「売上を増やす」のか,「コストを削減するのか」という視点が必要だ。さらに前者の場合