コロナウイルスの感染経路は、インフルエンザ同様、基本的には飛沫感染と接触感染である。コロナウイルス自体の大きさは直径100ナノメートル(1nm=1mmの100万分の1)程度と非常に小さいが、風邪やSARSを前提にすれば、結核や麻疹のような空気感染は通常は考えにくい(ただし、SARSでは密閉空間において空気感染の可能性が示唆されている)。 飛沫とは、くしゃみや咳で飛んでいくしぶきのことで、感染者のウイルスが含まれる。口や鼻の粘膜に付着すれば、そこから感染が起きる。ただし飛沫は5マイクロメートル(1μm=1000nm)程度の大きさがあり、重みのせいで空気中を漂う間もなく落下してしまうため、空気感染ほどの感染力はないと言える。 とはいえ、感染者の飛沫や糞便に由来するウイルスは、体外に排出された後すぐに死滅するわけではない。感染者が口や鼻を触るなどして手にウイルスを付着させ、その手で触った物が感染