卵は、卵白だけなら湯せんをしなくても非常に泡立ちやすいものです。これは、卵白の蛋白質のおかげです。 蛋白質には、撹拌されるとどんどん形を変える性質があり、そのため、普段は表面張力によって平らに保たれている卵白の表面が、空気を抱え込みます。すなわち、これが泡です。 ところが、全卵、つまり卵黄もいっしょだと、とたんに泡立ちにくくなってしまうのは、卵黄の脂分が卵白を泡立ちにくくしてしまうからです。そこで湯せんをするわけですが、これは卵白を温めると、その表面張力が弱まるため、つまり卵白の泡立つ力をより強くして、卵黄に負けないようにしてやろうというわけです。