田中明『韓国はなぜ北朝鮮に弱いのか』(2004年11月)読了。 韓国と北朝鮮の政治状況を、綴った本。 ネットで検索しても書評らしきものがほとんどあがってこない本だが、非常に面白かった。 1976年から2003年の記事をまとめたものだが、韓国における反共、北朝鮮の対韓「連邦論」の変遷など、実に興味深い。 著者の元「朝日新聞記者」という看板は外して考えた方がいいだろう。 目から鱗というよりは、「そうだよなぁ」と思わせる部分が多い。 以下、面白かったところを、適当に抜き出しておく。 反共の国是の中で、「右派は不戦勝の座にあった」と言われたように、韓国人は北に対し具体的な脅威を感じても、共産主義という思想的な脅威と対決する必要がなかった。むしろ植民地時代の独立運動の担い手に共産主義者が多かったこともあって、その思想自体に対して検証する習慣がなかった。 したがって、左翼文献の解禁がな