『アメリカ大統領選挙と石炭』直前に迫ったアメリカ大統領選挙で石炭が注目を集めている。共和党のロムニー候補は、オバマ政権の環境規制がアメリカの石炭産業を殺していると批判している。理由は簡単で大統領選挙の勝敗を分けると予想されるスイング州のいくつかが、石炭生産の州であるからだ。良く知られているようにアメリカの州は、大統領選挙では民主党の強い州と共和党の強い州に二分される。民主党は東西両海岸で強く、民主党は南部で強い。その結果、勝敗を分けるのは中西部などの勢力の均衡している州の行方である。具体的には、オハイオ、バージニア、フロリダなどの州である。 この内のオハイオとバージニアは石炭生産の多い州として知られる。ロムニー候補が、石炭生産に対する制限を撤廃しようと訴えているはずである。アメリカでは8万8千人の炭鉱労働者がいるとされている。その家族や関係者などを含めると相当な数である。スイング州をロムニー陣営へと動かすだけの票数で
