以前に読んで心にひっかかったものの、そのあたりがうまく言葉にならず、もどかしく思ったまま、そういえばこの本について結局なにも書いてこなかったことに気が付いた。と、いう次第なので、いまだにうまく思いがまとまらないが、気にもなるので、書きながら、考えてみたい。 「希望格差社会―「負け組」の絶望感が日本を引き裂く」は、副題にあるように、日本社会が勝ち組と負け組の二極化になるという、社会の危機感を社会学的に考察し、その解決策も提示したものだ。それがどうして、「希望格差社会」になるかといえば、Amazonのサイトにある日経ビジネスのレビューにあるように、とりあえず、こういうことだ。 現在の日本は職業、家庭、教育のすべてが不安定になり2極化し、「勝ち組」「負け組」の格差が拡大している。「努力は報われない」と感じた人々からは希望が消滅し、日本は将来に希望が持てる人と絶望する人に分裂する「希望格差社会」に