第1回の当コラムで、多くの日本企業がラグジュアリーブランドを作るのを苦手としている背景について説明した。一方、日本には今後日本発のラグジュアリーになり得るダイヤモンドの原石のようなブランドも存在する。「輝き続けるブランドの本質」第3回の今回は、そのような素質を持ち既に世界に向けて輝き始めている一軒のワイナリーをご紹介したい。山梨県甲州市勝沼町にある勝沼醸造とそのフラッグシップブランドであるアルガブランカだ(写真)。 勝沼醸造は1937年の創業以来、日本が誇る葡萄の一大産地である勝沼に根ざし、葡萄の栽培からワイン醸造までを一貫して手掛けるワイナリーである。 「世界をマーケットに最高品質のワインを」 勝沼醸造がワイナリーとして大きく飛躍したのは、現在代表取締役を努める有賀雄二氏が継いでからである。有賀は当初より志高く、世界をマーケットに日本の風土を生かした最高品質のワインを作りたいと考えていた