かつて、子どもだった頃のわたしにとっては住んでいる場所が世界の全てで、その外のことは何もわからなかった。 学校に上がる前の頃、両親が隣町まで行ったと聞けばずいぶん遠くまで行ったものだと思った記憶がある。中学生ぐらいになって自転車に乗るようになると、ぐっといろいろな場所が近くなって感激したことを覚えている。自分一人でもあそこまで行ける――そんな感覚は歳を重ねてできることが増える度に増していった。そしてそれから更に時が経ち、田舎から出てきた都会の生活にもいい加減慣れてきた私にとって、そんな気持ちがあったことは長らくすっかり忘れていたものだった。 『バミューダトライアングル~カラフル・パストラーレ~』(以下カラパレ)という作品は、わたしにとってそんな子供時代をどこか懐かしく思い返させるアニメだった。みなさんにとってはどうだろうか? 光り輝くスポットライト。 キラキラふわふわ、かわいい衣装。 笑顔