ある夜、セックスが嫌いな女の子の手を握って、 セックスが出来ない男の子が言いました。 「早く機械が人格を持てばいいのにな。 そうすれば文明や地球の未来を機械に任せて、 僕たちはセックスをしたり、子供をつくったりせずに、 ずっとこうしていられるのに。」 『・・・・・・・・。』 女の子は黙って泣いていました。 「セックスが嫌いな女の子や、 セックスが出来ない男の子が増えているのは、 もう人類の役目が終わろうとしているからだと思う。」 『・・・・・・・・。』 すると、それまで黙っていた女の子が、泣きやんで口を開きました。 『・・・わたしもそう思う。そうやって人類は滅びるんだわ。』 男の子は続けました。 「今、大人が子供を憎んでいる。子供は大人を信じられずに育っていく。 そして僕らは子供を残すことが出来ない。」 『きっとそうよ。ねえ、今、とてもいいことを言ったわ。ねえ、もう一度言って。』 男の子は