昨日ミッドライフ・クライシスについて書いた記事でユング心理学の「影」という概念に少しだけ触れたが、実際には今まで否定的にみていた自分自身の資質を認め、受け入れていく作業というのは整体指導や心理療法の治療モデルの根幹をなすものである。 いわゆる自己受容と呼ばれるそれである。 最近は「あるがままの自分を受け入れて‥」という言葉をよく耳にするが、耳ざわりがいい反面、自己受容という作業はなかなかに困難なものである。 ものごと全般においていえるが、嘘というのは案外やさしく、真実は厳しいことが多い。それだけに自分自身が影に追いやった資質に肉薄するというのはそれだけ心のエネルギーを要する行為なのだ。 これについて河合隼雄著『ユング心理学入門』に判りやすい記述があるので、一部抜粋して引用する。 影の内容は、簡単にいって、その個人の意識によって生きられなかった反面、その個人が認容しがたいとしている心的内容で