二〇〇二年に刊行された『NHKにようこそ!』がマンガ・アニメ化され、世界的ベストセラーとなったあと、仕事や私生活の心労により長期の休筆期間に入った作家、滝本竜彦。 その彼がついに約一七年ぶりに、完全新作長編を刊行する。 一七年のあいだ、彼の身には様々な事件が起きていた(詳細は文庫版『僕のエア』のあとがきにて長めに記したので、ここでは概要だけにする。知りたい人は文庫を手にとって欲しい)。 鬱病、結婚、離婚、友人の死、精神修行の道、瞑想家としての出発——端から見れば波瀾万丈な上に、小説とはまったく無関係に思える迷走。 だが、ぼくは知っている。 この一七年間、彼の脳裏には、ずっと「小説を書く」という使命のようなものがあったことを。 彼が「悟り」の道を行くと決めたとき、こういう会話をした。 「滝本さんは、何のために修行をするんですか」 「気づいたんです。悟りを開けばすべての悩みは解決する……つまり
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