自信とはね、自分の未来の可能性を信じるってことなんだよ――。 本連載で前回、取り上げた松井秀のセリフだ。きょうは、その続編。ヤンキースタジアムへの道すがら、記者は31歳のスラッガーに、どこまで未来の可能性を信じるのか、尋ねてみた。 「ホームランの数とかタイトルとか、そういう予想はできないけどね」ときたから、例によって漠然とした答えでかわされるのを覚悟した。 ところが……。 車のアクセルを踏み込みつつ、「おれ、いつかメジャーでMVP(リーグ最優秀選手)をとりたい」と継いだ。驚く記者に向かって“演説”を続ける。 「ただし、優勝した上でね。一番、優勝チームに貢献したという選ばれ方で、MVPがほしい」 不思議なぐらいに言葉があふれ出す。高速道路の渋滞が解消し、遅刻を免れると判断して、フッと気が緩んだのだろうか。 ◇ ちなみに、MVPに対するあこがれは、可能性を信じる心と結びつけて構わない。なぜなら
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