古代インドから中国へ、遥(はる)かな旅をして、たどり着いたのか。舎利が眠っている。 黄金の箱に入れて柱に埋め込まれ、安置されている指先ほどの骨片。入滅後、2500年の時空を超えて伝わる釈迦の遺骨なのだという。 かつての長安、陝西省・西安から西へ120キロ、そこは法門寺という古刹(こさつ)だ。 後漢後期の2世紀か、西魏の6世紀か。伝来の経緯は不確かだが、舎利は唐代の631年、境内で掘り出されたという。以降、3代高宗、7代粛宗、9代徳宗ら、皇帝が長安の都に運んでは供養の儀式を営んだ。多くは30年周期だったと史料は告げる。 13王朝の都にしてシルクロードの東の発着地。日本からも遣唐使や僧らが渡った長安は、各国民族が多く住んだ国際都市だ。唐も中央アジアにまで及ぶ大帝国だった。舎利供養は、国家統合の装置としても利用されたのだろう。 だからこそ、王朝とともに消えた。法門寺博物館の任新來副館長(42)が
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