九州大学が、バングラデシュのグラミン銀行グループと提携し、発展途上国支援に役立つ技術や商品を開発する研究機関を設立する。貧困問題などの解決にビジネスの手法を用いる「ソーシャルビジネス」(社会的事業)の、アジアでの拠点に育てる。海外の大学とも連携する考えだ。 グラミン銀行は、ノーベル平和賞を受賞したムハマド・ユヌス氏が総裁。貧困層の起業や自立を助ける無担保の少額融資を手がけている。九大が正式な組織として近く設ける「グラミン・テクノロジー・ラボ(GTL)」は、ユヌス氏を理事に迎える方向だ。 GTLは、グラミンを通じて発展途上国に必要な技術や貧困層が抱える課題についての情報を収集。内外の研究者や企業とともに、社会的事業の手法で解決方法を考える。現地で商品販売などの実証実験もする。企業にとっては、途上国での市場調査として海外進出の足がかりにできる可能性がある。 GTLの設立準備を進める九大の