無意識に行われる呼吸は、延髄の神経を構成するグリア細胞の一種「アストロサイト」がコントロールしていることを、国立病院機構村山医療センターの岡田泰昌室長らがラットを用いた実験で突き止め、1日、英医学誌に発表した。 岡田室長によると、呼吸の基本的なメカニズムはこれまではっきり分かっておらず、解明されたのは初めて。睡眠時無呼吸症候群などの異常の研究にも役立つという。 研究チームはラットの脳から延髄を取り出して観察。息を吸う際に神経細胞(ニューロン)が働いていることは分かっていたが、神経細胞の活動に先立ち、アストロサイトの一部が活動を始めることを発見した。このアストロサイトを興奮させると、神経細胞の活動を引き起こすことも確かめた。 研究チームは、アストロサイトが神経細胞の活動を促し、横隔膜などの呼吸筋を動かしていると判断した。息を吸い終わると、神経細胞の活動が停止するなどし、息を吐く動作に移