お店の名前は言えないが、私の生活圏には殺伐とした弁当が殺伐と並んでいるスーパーマーケットがあり、数年前からその店のことをディストピアスーパーと呼んでいる。 「弁当なんて、どこで売られているものも同じじゃないか」と言う人もいるかもしれない。確かに、コンビニで売られている唐揚げ弁当のなかには、健康への配慮が乏しいだけでなく、食事としてのパッケージがぶっきらぼうな品も見受けられる。「この弁当にはカロリーはある。が、カルチャーは無い」と言いたくなるようなやつだ。それでも、コンビニの弁当コーナーをざっと眺めると、多かれ少なかれ、カルチャーに配慮した体裁は伴っている。たとえば凝ったデコレーションのパスタとか、そういった品がコンビニには必ず存在している。 ディストピアスーパーはそんな生やさしいものじゃない。 ハンバーグ弁当には、過剰に水分を吸い込んだ重たいご飯がびっちり詰められていて、パサついたハンバー