『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』を見てきた。1973年に行われた、元男子テニスチャンピオンである55歳のボビー・リッグズ(スティーヴ・カレル)と、29歳で女子テニスのトッププレイヤーだったビリー・ジーン・キング(エマ・ストーン)の「男女の戦い」(Battle of the Sexes)を描くものである。ここでビリー・ジーンが勝利したことは、女子テニスの発展にも女性解放運動にも大きな影響があったそうだ。 この映画が大変面白いのは、真の「悪役」がボビー・リッグズではないということだ。女子テニスの賞金が低すぎるため独自に女子テニスの協会を立ち上げ、女性アスリートのために尽力する健気なビリーに対して、性差別的な大口を叩き続け、メディアの前で挑発を繰り返すボビーはとても好人物とは言えない。しかしながらこの映画では、ボビーは既に試合をする前から人生においてはビリーに大負けしている。 ビリーはテニス界に