時代劇を見ていると、手甲や脚絆をつけた人が出てくる。手甲とは手の平から前腕の前3分の2をカバーする布で出来た装具のことをいう。手の甲の部分は布が裏返らないように中指を通す紐がついている。 どんな目的で使用されたかは不明だが、手首を保護するためのものだとか日焼けを予防するためのものだとか言われている。 手甲と同じように脚絆というものもある。これは踝の上から膝下までに巻きつける布であり、これも足を保護する目的だとか長旅の際に疲れないようにするためだとか言われている。 脚絆の場合は向う脛、つまり弁慶の泣き所と言われる部分を保護する意味合いがあるのは理解できる。後年、脚絆の代わりにズボンのすそが引っかからないようにゲートルができ、スパッツができた。脚絆はゲートルなどに形を変えて軍隊で長く使われたが、現在では長めの編み上げ靴が軍隊の標準装備になって、脚絆は姿を消した。 これら2つの装具の意義について