確信犯の「上場ゴール」暴利を貪る経営陣 「上場ゴール」という言葉をご存じだろうか。株式を取引所に上場(公開)するのは、そこで広く投資家から資金を集めて企業をさらに成長させるためだ。ところが、上場前から株式を保有する経営陣たちが、上場によって保有株の価値を大化けさせ、一攫千金を狙うことだけが最終目的となっているような株式上場を指す。投資家からすれば、高値で株をつかまされるので、まるで詐欺にでもあったような甚大な被害をもたらす。 そうした「上場ゴール」まがいの株式公開は、株式相場に人々の関心が向いている時に現れることが多い。2016年の日本の株式相場は、ドナルド・トランプ氏の米大統領選での勝利をきっかけに大きく買われ、12月には1万9000円台に乗せ、年初来高値を更新した。現在も株式相場への関心は高い。 上場時の売り出しや公募増資など、一般の投資家が上場直前に購入した価格を、上場初値が下回った