公式戦29連勝という新記録をつくった将棋の最年少プロ棋士・藤井聡太四段。その強さの源は「人工知能(AI)」を研究に取り入れたからだといわれる。佐藤天彦名人に2連勝した将棋ソフト「ポナンザ」の開発者・山本一成氏は「ポナンザが強くなる理由はもはや人間には説明できない」と語る。開発者たちは仕組みがわからないことから、人工知能を「黒魔術」と呼ぶことがあるという。これから人間は「黒魔術」を使いこなせるのだろうか――。 ※以下は山本一成『人工知能はどのようにして「名人」を超えたのか?――最強の将棋AIポナンザの開発者が教える機械学習・深層学習・強化学習の本質』(ダイヤモンド社)の第2章「黒魔術とディープラーニング」からの抜粋です。 「黒魔術」の影響力が強くなってきている 理由がわからないのに強くなる。人工知能という現代科学の最前線で、なぜそんなことが起きているのか。これからはその説明をしていきましょう