アメリカ同時多発テロから15年。今も戦乱の続くアフガニスタンで干ばつと闘う日本人がいる。医師・中村哲(69)。「武器や戦車では解決しない。農業復活こそがアフガン復興の礎だ」。中村は白衣を脱ぎ、用水路の建設に乗り出した。15年たったいま、干ばつの大地には緑がよみがえり、人々の平穏な営みが再び始まろうとしている。戦乱の地アフガニスタンに必要な支援とは何か。15年にわたる中村の不屈の歩みを通して考える。 「普通のドクターや医療関係者がね、この状態を知って放っておいて逃げれるという人はどうかした人でしょうな。やっぱり目の前で困っている人を見捨てるわけにはいきませんよね」 「基礎に栄養状態が良くないというのがあります。それから衛生状態が良くないと。水で洗うだけでかなり良くなるんですが。水そのものが欠乏している」(中村哲さん) 「水が来た時ももちろん喜びましたけど、モスクが建つと聞いてもっと喜ん