文=ルジェー・シュリアク/Roger Xuriach(スペイン『パネンカ』誌) 翻訳=江間慎一郎 ■レアル・マドリーが大嫌いだ 私はレアル・マドリーが大嫌いだ。その感情はバルセロナを愛するカタルーニャ人として抱えるものだが、しかしここ最近の“レアル・マドリー”の在り方には本当に苛立ちを覚える。彼らはただスター選手のかき集めるだけのクラブであり、バルセロナと比べれば、フットボールの哲学など伝承されていくものがまったくないように思われた。だからこそ、ここ10年間の彼らには心底、嫌気が差している。 ■嘘つきの会長 (C)Getty Imagesそもそも、フロレンティーノ・ペレスは嘘つきだ。 今世紀の始まり、まるでメシアのようにマドリーの会長となった彼は、以降スター選手を獲得する度に、決まって「彼はマドリーでプレーするために生まれてきた」と口にしてきた。 フロレンティーノのその言葉を何回耳にしてき