ヨーロッパコウイカは、いつ、どこでどのような餌を手に入れたかの詳細を記憶し、獲物の状況の変化に応じて自分のやり方を変える能力があることが、いくつかの研究でわかっている。 先週末の夕食に何を食べたか、あなたは覚えているだろうか。そうした「出来事」に関する記憶は「エピソード記憶」と呼ばれる。そして特定の出来事があった時間や場所を正しく思い出せる能力は、一般に年齢とともに衰えていく。 生物の記憶は、RNAを移植すれば「移し替え」できる──アメフラシを用いた実験で明らかに 実は人間だけでなく、イカの一種であるヨーロッパコウイカも、ある種のエピソード記憶の能力をもつようである。しかも、その記憶力は人間とは異なり年をとっても低下しないとする論文が、学術誌『Proceedings of the Royal Society B』のオンライン版に2021年8月21日付で発表された。 「ヨーロッパコウイカは、