ブラックホールの姿が、史上初めてとらえられた。 ブラックホールはいわば、近くに迷い込んできたものを手当たりしだいにむさぼる怪物。恒星、惑星、ガス、塵はもちろん、光でさえも、「事象の地平線」と呼ばれる境界をひとたび越えてしまったら、この怪物の手から逃れることはできない。 ギャラリー:ハッブル宇宙望遠鏡が撮った神秘の宇宙画像 50選 科学者たちがとらえたのは、太陽65億個分の質量をもつ超大質量ブラックホールだ。地球から5500万光年の彼方、おとめ座銀河団の中心にある巨大楕円銀河M87のさらに中心にある。画像には、いびつな光の輪に囲まれた暗い部分が見える。これはブラックホールのシルエットを世界で初めてとらえたもので、ブラックホールの口に限界まで迫った画期的な画像である。 今回の画像は、200人以上の科学者が参加した「イベント・ホライズン・テレスコープ(EHT:事象の地平線望遠鏡)」プロジェクトの