【ABCNews/NEWS.com.au】ジェームズ・マクガウ博士は、世界屈指の記憶機能研究者である。しかしここ数年、氏はこれまで遭遇したことのない、全く新しいタイプの記憶能力保有者と出会い、頭を抱えているという。マクガウ博士がその女性を知ったのは今から6年前のことである。AJとのみ名乗ったその女性は、博士にあてた最初の手紙の中で、あたかも”走馬燈のように”これまでの人生全ての日々が、頭の中を駆けめぐり続けるという、到底信じがたい話を綴っていた。”ノン・ストップの、コントロール不可能な記憶の想起で完全に疲弊しました。自分の全人生が毎日頭の中で反芻され、狂ってしまいそうなんです。”そして彼女は、博士に助けを求めたのである。 無論、当初、マクガウ博士は他の”優れた”科学者達と同様、彼女の話に極めて懐疑的であった。それは言わば当然の態度である。しかし五年に及ぶ調査を経て、現在、博士はもはや彼女の