その美しい稜線から豊後富士と称される由布岳。四季折々の自然と名湯を求めて観光客が絶えない景勝地が、大きく揺れている。 由布岳北麓の塚原高原(大分県由布市湯布院町)。広大な牧草地にペンションや別荘、レストランなどが点在するが、ここにメガソーラー(出力1千キロワット以上の大規模太陽光発電所)を設置する計画が浮上したためだ。 昨年3月、東京の投資会社が由布市に市有地約20万平方メートルの購入を申し出た。同年10月には、近くの別荘用地「リック・スプリングヴァレー」の一部約90万平方メートルも中国企業との合弁会社(福岡市)が購入した。 合わせると東京ドーム24個分にもなる広大な土地が、黒々とした太陽光パネルで埋め尽くされることになる。そうなれば、由布岳を望む美しい景観は大きく損なわれるに違いない。 計画を知った地元住民は動揺した。貸別荘を経営する藤沢桂子は「事前に住民に一切相談はありませんでした。勝