グラウンドには銭が落ちている―。プロ野球選手の年俸をテーマにした話題作「グラゼニ」の原作者・森高夕次さんへのインタビュー(その1)。 ―原作を務めた「ショーバン」、さらには自身が(コージィ城倉名義で)作画も担当する「砂漠の野球部」「おれはキャプテン」など、これまで高校野球がテーマの作品を多数手掛けてきました。今回どうしてプロ野球なのですか? (森高)「トーナメント方式の高校野球は漫画の図式に向いているんです。一方でリーグ戦のプロ野球は受けにくい部分があると思われてきました。だけど、トーナメントでなくとも、大人向けの面白い野球漫画が描けるはずだと思っていました。高校野球漫画をたくさん描いてきましたけれど、プロ野球の方がはるかに好きなんですよ」 ―高校野球漫画との描き方の違いとは? 「少年誌では勝負がメーンになりますが、特に青年誌におけるプロ野球漫画は、勝負をメーンにはできない。たしかに勝負