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ブックマーク / book.asahi.com (31)

  • 「君たちはどう生きるか」宮崎駿監督が、新作映画について語っていたこと。そして吉野源三郎のこと|好書好日

    宮崎駿監督の新作「君たちはどう生きるか」ポスター=スタジオジブリのTwitterより 「私自身、訳が分からない」 「おそらく、訳が分からなかったことでしょう。私自身、訳が分からないところがありました」。 2023年2月下旬、東京都内のスタジオで上映された、「君たちはどう生きるか」の初号試写。米津玄師の歌うピアノバラードが流れ、エンドロールが終わった瞬間、灯りが点き、宮崎駿監督のコメントが読み上げられた。 客席から軽い笑い声が漏れた。私もその一人だった。あまりの展開の速さと、盛り込むだけ盛り込まれた情報を消化しきれず、茫然と座り込んでいたが、その言葉で我に返った。 これは「宮崎アニメ」の集大成なのか、吉野源三郎の著書『君たちはどう生きるか』の再解釈なのか。とにかく、1回見ただけではとても全容を把握できなかった。 「自分のことをやるしかない」 今回の作品は、公開前のプロモーションも、メディア関

    「君たちはどう生きるか」宮崎駿監督が、新作映画について語っていたこと。そして吉野源三郎のこと|好書好日
  • 文學界新人賞・市川沙央さん 「なにか職業が欲しかった」ままならぬ体と応募生活20年の果てに 「小説家になりたい人が、なった人に聞いてみた。」#1|好書好日

    第128回文學界新人賞 受賞作品「ハンチバック」 親が遺したグループホームで裕福に暮らす重度障害者の井沢釈華。Webライター・Buddhaとして風俗体験記を書いては、その収益を恵まれない家庭へ寄付し、Twitterの裏垢では「普通の人間の女のように子どもを宿して中絶するのが私の夢」と吐きだす。ある日、ヘルパーの田中に裏垢を特定された釈華は、1億5500万円で彼との性交によって妊娠する契約を結ぶ――。 療養生活という名の引きこもり 取材は市川さんが両親と暮らす自宅で行われた。お母さんに案内された部屋で、市川さんと目が合った瞬間、その射貫くような眼差しに気圧された。市川さんは筋疾患先天性ミオパチーという難病により、人工呼吸器を使用しているため、発話に大変な体力を使い、リスクもある。そのため取材も、あらかじめメールで回答をもらい、補足のみ、最小限お話いただく形をとった。 目力の強さはそれが市川さ

    文學界新人賞・市川沙央さん 「なにか職業が欲しかった」ままならぬ体と応募生活20年の果てに 「小説家になりたい人が、なった人に聞いてみた。」#1|好書好日
  • 「メイクがなんとなく変なので友達の美容部員にコツを全部聞いてみた」 迷えるメイク難民のための指南本|好書好日

    アイシャドウ「縦割りグラデ」のコツ ●「縦割りグラデ」は商品パッケージに書いていない最強テクニック 「ちゃんとアイシャドウをつけたつもりなのに、目を開けると全部隠れている!」 この状況を改善してくれる超簡単テクニックが「縦割りグラデ」です。まぶたの上で、2色好きな色を組み合わせるだけで、アイメイクが今より何倍も楽しくなります。 「縦割りグラデ」をおすすめする理由は2つ。 ・テクニックに依存せず、たとえどんなに不器用でも、色を楽しめる ・一重でも奥二重でも「塗っても隠れてしまう問題」が解決する グラデーションで入れる2色の組み合わせのルールは、目頭側が明るい色、目尻側が暗い色。色のバランスは半々。慣れてきたら応用で、目頭側を2/3にしてもいいですし、3色使っても楽しいと思います。 パンダの好きな組み合わせは、(目頭側)パール入りのオレンジ×(目尻側)マットな赤です。大人になると、パール入りの

    「メイクがなんとなく変なので友達の美容部員にコツを全部聞いてみた」 迷えるメイク難民のための指南本|好書好日
    chiezo1234
    chiezo1234 2022/11/04
    >「縦割りグラデ」一重でも奥二重でも「塗っても隠れてしまう問題」が解決する/  グラデで入れる2色の組み合わせのルールは、目頭側が明るい色、目尻側が暗い色。色のバランスは半々/メイクの学習漫画
  • 猫派ですが、|好書好日

    トピック 【直筆サイン入り】待望のシリーズ第2巻「誰が勇者を殺したか 預言の章」好書好日メルマガ読者5名様にプレゼント PR by KADOKAWA 結城真一郎さん「難問の多い料理店」インタビュー ゴーストレストランで探偵業、「ひょっとしたら当にあるかも」 PR by 集英社 インタビュー 読みきかせで注意すべき著作権のポイントは? 絵作家の上野与志さんインタビュー PR by 文字・活字文化推進機構 インタビュー 崖っぷちボクサーの「狂気の挑戦」を切り取った9カ月 「一八〇秒の熱量」山草介さん×米澤重隆さん対談 PR by 双葉社 インタビュー 物語の主人公になりにくい仕事こそ描きたい 寺地はるなさん「こまどりたちが歌うなら」インタビュー PR by 集英社 インタビュー 井上荒野さん「照子と瑠衣」インタビュー 世代を超えた痛快シスターフッドは、読む「生きる希望」 PR by 祥伝

    猫派ですが、|好書好日
    chiezo1234
    chiezo1234 2022/03/20
    >朝日新聞夕刊(大阪本社版)に掲載。作家の湊かなえさんが身の回りの出来事をつづるエッセーです。
  • 残された希望としての本 湊かなえ|好書好日

    西村賢太さんが亡くなられました。とても親しくはないけれど、テレビ番組での共演を機に、対談等のご縁をいただき、新刊を送り合う際に短いメールのやり取りをする、私は友だちだと思っています。 バラエティ番組では、他人の暴露話に誘導されることがしばしばありますが、賢太さんはそれについては静かに拒否し、かつ、場をシラケさせないために、自分をさらけ出して盛り上げていました。この人は、物の私小説家だ! と心から感心したことを憶(おぼ)えています。 武器は己の人生、そして、その人生には常にがあったようです。 賢太さんの分身でもある小説の主人公、北町貫多は絶望的ともいえる人生を送っています。読んでいて苦しくなるような暴力的な描写もあります。しかしその中で、パンドラの箱に残された希望のようなものとして存在するのが、なのです。 私が文庫解説を書いた『蠕動(ぜんどう)で渉(わた)れ、汚泥の川を』は、貫多17歳

    残された希望としての本 湊かなえ|好書好日
    chiezo1234
    chiezo1234 2022/03/20
    >バラエティ番組では、他人の暴露話に誘導されることがしばしばありますが、賢太さんはそれについては静かに拒否し、かつ、場をシラケさせないために、自分をさらけ出して盛り上げていました
  • 松田青子さんが主人公の姿に釘づけになったドラマ「悪女(わる)」 女性が自由に働ける夢、社会に放った|好書好日

    私が十代の頃、テレビの中では、女性がセクハラされるのが日常のこととして描かれていた。 今でも忘れられないドラマの場面がある。それはショートオムニバスドラマで、会社の温泉旅行の幹事になったOLが主人公だった。宴会の出し物の一つとして、浴衣を着た新人OLたちがステージの上に呼び集められ、周囲の男性社員たちが合図して、女性たちの浴衣の裾を引っ張り上げる。当然彼女たちの下着が露になり、彼女たちが悲鳴を上げる一方、男性社員たちは大喜びするという場面だった。 主人公のOLの目にそれは醜悪なものとして映っており、男性社員たちの酔いに任せたセクハラの現場の数々を写真に収めた彼女は、旅行後、記念写真ですとそれらの写真を彼らに配ってまわり、復讐する、という話だった。セクハラは悪いことという意識はあっても、いつもどこか冗談めかされ、軽いものとして描かれていた。私は子どもで、当時の実際の会社の状況を知る由はなかっ

    松田青子さんが主人公の姿に釘づけになったドラマ「悪女(わる)」 女性が自由に働ける夢、社会に放った|好書好日
  • 岸田奈美さん「家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった」インタビュー 人生を変えた、ブログにつづった家族愛|好書好日

    岸田奈美(きしだ・なみ) 1991年生まれ、神戸市出身、関西学院大学人間福祉学部社会起業学科卒業。在学中から「バリアをバリューにする」を掲げる株式会社ミライロの創業メンバーとして活動し、2020年4月に作家として独立した。自称「100文字で済むことを2000文字で伝える作家」。一生に一度しか起こらないような出来事が、なぜだか何度も起きてしまうという。 WEBサイトTwitterInstagramnote:キナリ★マガジン エッセイで生きていくなんて考えていなかった ――今年の4月に専業作家として独立されましたが、それまでも「note」で家族のことや身近で起きた面白い出来事を書かれています。エッセイを書き始めたきっかけは? 弟と一緒に三重のテーマパーク「パルケエスパーニャ」に行ったときのことをFacebookに書いたのがきっかけです。弟は知的障害があるんですが、会社を休職して人間的な未熟さを

    岸田奈美さん「家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった」インタビュー 人生を変えた、ブログにつづった家族愛|好書好日
  • 柚木麻子さんをしびれさせた曲、ともさかりえ「カプチーノ」 2000年代を連れてきた椎名林檎との最強コンビ|好書好日

    HOME コラム 大好きだった 柚木麻子さんをしびれさせた曲、ともさかりえ「カプチーノ」 2000年代を連れてきた椎名林檎との最強コンビ 「カプチーノ」は1999年1月27日にリリースされたともさかりえ7枚目のシングルCD、今ではなつかしい8cmの短冊型だ。イントロはボサノバで、ソフトロックに転調していく。なかなか会えない恋人へのやきもきを、おしゃれかつセクシーに、それでいて愚直に歌っている。私は92年放送「コラ!なんばしよっと」時代から現在に至るまで、ともさかりえのファンを続けているが、その情熱を支えている一因がこの名曲だ。作詞作曲はシーナ・リンゴ名義の椎名林檎。デビュー二年目、業界の期待が高まりに高まっていた時期だ。この出会いをきっかけに、二人が親友になったのはファンの間では有名な話だ。椎名林檎はともさかりえを最初に見た時に「なんて美しくてなんて悲しい形をしているんだ」と思った、とどこ

    柚木麻子さんをしびれさせた曲、ともさかりえ「カプチーノ」 2000年代を連れてきた椎名林檎との最強コンビ|好書好日
    chiezo1234
    chiezo1234 2021/04/22
     >親密な女性同士が離れ離れになる時、そこには少なからず社会の力が働いていると私は思っている。それをなんとか防ぐ方法を模索したくて小説を書いているところがある。
  • 本屋ロカンタン(東京) 自宅の一室が本屋。38歳店主の、山あり谷あり人生に本あり|好書好日

    ある日の13時過ぎ、見知らぬ番号から着信があった。折り返してみると、訪ねる予定の屋ロカンタンの店主、萩野亮さんからだった。 「あの、今日いらっしゃる予定ですよね」 「はい、14時に」 「えっ、13時でしたよね?」 なんと私が約束時間を、勘違いしていたのだ。到着を待っていた萩野さんを知る由もなく、この日最終回だった韓流ドラマを見終わってゆっくり支度をしていた私は、急いで西荻窪に向かった。 JR西荻窪駅の南口からgoogleマップをたよりに6分ぐらい歩くが、マップが指し示す場所に屋は見つからなかった。着信アリの番号に再度かけなおしてみると、バス通りに面していないドアから萩野さんが姿を見せたので、5.5坪のスペースに招き入れてもらう。ここは自宅兼屋だと、萩野さんは語った。 マンション1階にある屋ロカンタンは、大きな「。」の文字が目印。 「じゃあ2階に部屋があるんですか?」 「いえ、ここ

    本屋ロカンタン(東京) 自宅の一室が本屋。38歳店主の、山あり谷あり人生に本あり|好書好日
    chiezo1234
    chiezo1234 2021/04/11
    >社会に出ることが難しい代わりに、自宅を本屋として社会に開く。蔵書を手放して、代わりに新刊を商う。そうして日々、お客さんを迎える。それだけでいいんです/
  • 「ここじゃない世界に行きたかった」塩谷舞さん ミニマルで偏愛。周りに流されないインフルエンサーの働き方|好書好日

    文:篠原諄也 写真:篠塚ようこ 塩谷舞(しおたに・まい) 文筆家。1988年大阪・千里生まれ。ニューヨーク、ニュージャージーを拠点に執筆活動を行う。2009年、大学時代にアートマガジン『SHAKE ART! 』を創刊。2012年にCINRA入社、WEBディレクター・PRを経て、2015年に独立。 会社員時代より、WEBメディアの執筆、企業の広告企画、SNSマーケティングに多く関わり、「バズライター」の異名をとる。 2017年、オピニオンメディアmilieuを立ち上げ、自身の執筆活動を格化。 Twitter Instagram 会社員時代に感じた違和感が原点 ――新著にはユニークなお仕事との向き合い方が書かれています。例えば「ミニマルに働く」。仕事上のいろいろな無駄を削ぎ落として、心や身体を大切にすることを意識しているそうですね。 私はアルバイトをしても、会社勤めをしても、優秀な従業員では

    「ここじゃない世界に行きたかった」塩谷舞さん ミニマルで偏愛。周りに流されないインフルエンサーの働き方|好書好日
    chiezo1234
    chiezo1234 2021/04/11
    >SNSに投稿する前提ではなく、自分で自分の本音を聞いてあげる時間は大切だと思います
  • 凪良ゆうさんが読んできた本たち 作家の読書道:第214回|好書好日

    凪良ゆう(なぎら・ゆう)作家 2006年に『恋するエゴイスト』でデビュー。著作に『神様のビオトープ』『すみれ荘ファミリア』『流浪の月』など。 >「作家の読書道」のバックナンバーは「WEBの雑誌」で 漫画家になりたかった ――いちばん古い読書の記憶を教えてください。 小さい頃から漫画が大好きでした。親も「気がつくと漫画を読んでいた」と言っているので、たぶん、いちばん古い読書というと漫画だと思います。もともと漫画家志望だったんです。 ――そうだったんですか。それは家に漫画があったということでしょうか。 姉が2人いて、それぞれが雑誌も買ってくるし、図書館でも借りてくるしで、そういうものを読ませてもらっていたんだと思います。一番上の姉は少女漫画などの女性向けの漫画が好きで、二番目の姉が少年漫画とミステリ系の小説が好きで。だから少年漫画も「ジャンプ」も「サンデー」も「マガジン」も揃っていました。「

    凪良ゆうさんが読んできた本たち 作家の読書道:第214回|好書好日
    chiezo1234
    chiezo1234 2021/01/28
    >結婚して、その後からですね。全然身にならない読書というのに2年くらい費やしたと思います。暇で暇でしょうがなくて、すぐ近くに図書館があったので、とりあえず目につく本を借りて読んでいました
  • 山本文緒さん「自転しながら公転する」インタビュー 結婚は「少し不幸でいい」|好書好日

    結婚とは何か、つくづく考えさせられた。 7年ぶりの新刊は、32歳の非正規社員が主人公だ。親の看病を理由に東京から茨城に戻った与野都(よのみやこ)は、勤務先のアウトレットモールの回転すし店で働く羽島貫一(はしまかんいち)に恋をする。 一般的に結婚相手に求めるものは彼には何もない。この人と結婚して良いものか、都が悩む気持ちはよくわかる。貫一にも何か結婚をためらう後ろ暗さがある。 〈この人がいなくなっても生きていける!〉 「幸せ原理主義」と揶揄(やゆ)された都がそう確信するに至って、物語はさらに転がっていく。 「『この人がいなくちゃ生きていけない』は昭和のトレンディードラマでは素敵なセリフだったかもしれない。けれど、今はそんなことを言っては生きていけないと思う」 不安を抱えて生きるのは都だけではない。更年期障害に苦しむ母、持ち家を維持するのに青息吐息の父。2人が出した結論は、ちょっと意外なものだ

    山本文緒さん「自転しながら公転する」インタビュー 結婚は「少し不幸でいい」|好書好日
    chiezo1234
    chiezo1234 2020/10/29
    結婚>「ほんとうにわからなくて。なぜつがいになるのか、3人でも良いんじゃないとか、いろいろ思います」
  • 壇蜜さん「結婚してみることにした。」インタビュー 「枯れた」文でテンポよく|好書好日

    淡々と日々のできごとが刻まれていく。プールで泳ぎ、大好きなサウナ漫画を読む。38歳の初仕事でルンバを踊り、別の日は池袋でモモジタトカゲのサチ子と出会う――。2019年11月21日、不意に現れる節目の日もあっさりしている。「結婚してみることにした。深夜の北区役所に婚姻届を提出してきた」 一昨年の冬から昨年末までの日記をまとめた一冊。年に1回ほどのペースでこうした日記を出版しており、これで6冊目となった。 日記は夜風呂に入るとき、防水のタブレットにしたためる。必ず6行、300字程度に収めることに決めているという。日曜日は一言、二言で終わらせる。「クリスチャン系の学校に通っていたからでしょうか、日曜はお休み」。繰り返されるそのテンポは読む側にも心地いい。 中学校のころから自主的に日記を書き始め、断続的だがその習慣を続けている。「日記とは、つかず離れずの関係です」。昔は、胸の内を明かす場だった

    壇蜜さん「結婚してみることにした。」インタビュー 「枯れた」文でテンポよく|好書好日
    chiezo1234
    chiezo1234 2020/10/29
    >日記は夜風呂に入るとき、防水のタブレットにしたためる。必ず6行、300字程度。日曜日は一言、二言で終わらせる。「クリスチャン系の学校に通っていたからでしょうか、日曜はお休み
  • 金原ひとみさん「パリの砂漠、東京の蜃気楼」インタビュー 乖離の中に存在する自分|好書好日

    2年前の夏、6年間暮らしたパリから帰国した。書は前後2年間のウェブ連載エッセーをまとめたもの。テロの恐怖が身近にあるパリでの生活、帰国の決断、東京で再び直面する穏やかでぬるい閉塞(へいそく)感――。 「パリは空気も人間関係も乾燥していて、地面からも焼かれるようなつらい場所でした。東京は楽しくて夢みたいな場所だけど、どこか見せかけだけ」。どこに行っても癒えない実存的不安が、二つの対照的な都市を舞台につづられる。 20歳の作家デビューから16年。結婚や出産、海外移住など実生活での変化はこれまでにも作品に反映されてきたが、自身のことをこれほどの純度で見せるのは初だろう。 〈あの時あんなに幸せだったのにと思い起こされる幸せは全て幻想だと知っている。ずっと泣きそうだった。辛かった。寂しかった。幸せだった。この乖離(かいり)の中にしか自分は存在できなかった〉 自分の心の中をのぞき込むときのその真摯(

    金原ひとみさん「パリの砂漠、東京の蜃気楼」インタビュー 乖離の中に存在する自分|好書好日
    chiezo1234
    chiezo1234 2020/10/29
    >帰国して神経に障ったのは、例えば日本人男性の高圧的な態度、くだらないテレビ番組。「でもこの日本人が絡めとられている網を理解していないと、そこまで降りていって書くことができない
  • 都甲幸治さん『「街小説」読みくらべ』インタビュー 異境の出会いに作品重ね|好書好日

    アメリカ文学を訳し、教える傍ら世界文学の紹介にいそしんできた。そんなプロの「読み屋」が、自身にゆかりのある八つの街を取り上げ、そこにまつわる文学作品を読む。街歩きエッセーと文芸評論が一体となった新感覚の一冊だ。 福岡県生まれだが、父親の転勤であちこちに暮らした。中高時代を過ごしたのは金沢。東京の言葉で話しても相手にしてもらえず、「これはまずいぞ」。金沢弁をほとんど外国語のように身につけた。室生犀星や古井由吉の文学を読み解きながら、雪と低い空に閉じ込められていた青春時代が思い出されていく。 そして大学院の3年間を過ごしたロサンゼルス。英語を話せない者は「いないこと」にされる異国で、これまでの自分が「一度死んだ」。机を並べたマイノリティーの仲間たちに刺激を受け、同じ白人に見えるユダヤ人が疎外感を抱いているのも知った。だから、ジェームズ・M・ケインの『郵便配達は二度ベルを鳴らす』で、より白人に近

    都甲幸治さん『「街小説」読みくらべ』インタビュー 異境の出会いに作品重ね|好書好日
    chiezo1234
    chiezo1234 2020/10/29
    >異なるものに出会った時にどう翻訳して、誤解をしつつも理解し合っていくか。そういうことを外国文学者になっても続けているんでしょう/幼少期の転勤族メンタルとしてわかるものがある
  • 加納土さん「沈没家族 子育て、無限大。」インタビュー 外の風吹く幸せなカオス|好書好日

    生後8カ月から、50人超の若者に交代で世話してもらって育った。 「保育人」は、シングルマザーの母・穂子(ほこ)がチラシを配って募った。無職の人、心の調子を崩した人、漫画ばかり描く人……。鍵が開けっぱなしの家には、それ以外にも知らない大人が酒瓶片手に訪ねて来て、共にべ、遊んだ。「幸せでカオスそのものな」共同生活は、8歳で八丈島に引っ越すまで続いた。 大学の卒業制作で保育人らを再訪し、記録映画「沈没家族」にまとめた。沈没家族は当時からの自称で、「家族の絆が弱まっている。このままだと日は沈没する」という政治家の発言に憤慨した保育人が名付けた。映画祭で賞をとり、劇場ではロングランに。一方で映画を見たある保育人から「実際はもっと壮絶な日々だったよ」と言われたことが引っかかり、再取材してを書いた。 保育人たちがつけた膨大な記録を改めて見返すと、一人一人の生きづらさや貧困が吐露され、「早く帰ってき

    加納土さん「沈没家族 子育て、無限大。」インタビュー 外の風吹く幸せなカオス|好書好日
    chiezo1234
    chiezo1234 2020/10/29
    何十年か経って”語る”事実と、記録の中で”保管された”事実は別物だろうしね。映画見た保育人から「実際はもっと壮絶な日々だったよ」と言われ再取材して本書いたらしい
  • 生きやすい街を求めて。ドイツ移住の日々を描く香山哲さん「ベルリンうわの空」インタビュー|好書好日

    文:小沼理、写真:人提供 香山哲(かやま・てつ) 1982年、兵庫県生まれ。2008年から漫画、絵、デザイン、文章、アプリやソフトウェア開発をフリーで行う。01年からやソフトウェアなどを発行するレーベル「ドグマ出版」を主催。13年、「香山哲のファウスト1」が文化庁メディア芸術祭マンガ部門審査員推薦作品に。18年からドイツのベルリン在住。 土地によって生きやすさは変わる ――香山さんは2018年にベルリンに移住していますが、その前にいろいろな土地をめぐったそうですね。 「こういう気持ちで生活していたい」「自分がこうありたい」と思う生活や人生に近づくためには、環境の要素もすごく大きいと思っていて。できるだけ自分のことをスパークさせてくれる環境で暮らしたいと考えていました。 最初は日国内を転々としていて、高校まで兵庫県で育ったあとは大学進学のため長野、大学院でまた兵庫。仕事をはじめてからは

    生きやすい街を求めて。ドイツ移住の日々を描く香山哲さん「ベルリンうわの空」インタビュー|好書好日
    chiezo1234
    chiezo1234 2020/10/29
    >ベルリンでは街に出れば「公共の中の自分」という空気が少し強く感じる
  • 「バクちゃん」増村十七さんインタビュー 宇宙から来た移民?SFチックに描く日本の現実|好書好日

    文:小沼理 画:(C)増村十七/KADOKAWA 増村十七(ますむら・じゅうしち)マンガ家・イラストレーター 2012年に「のんちゃん!の破壊☆日記」でデビュー。同年、「ワニを飼う」で講談社第32回MANGA OPEN奨励賞受賞。 15年から17年まで、カナダのマニトバ州ウィニペグに滞在。18年に「バクちゃん」が第21回文化庁メディア芸術祭のマンガ部門新人賞を受賞し、19年から「月刊コミックビーム」で同作の連載を開始。 移民生活の実体験がベースに ――「バクちゃん」は、増村さんが自主制作としてネット上に発表していた漫画がオリジナルです。この作品を描こうと思ったきっかけは何でしたか? 私自身が2015年から2年弱、カナダのマニトバ州というところに滞在し、永住権を取ろうとしていました。カナダは移民の受け入れには寛容な国で、マニトバ州はその中でも特に受け入れが多い場所だったのですが、それでも毎日

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  • 「在野研究ビギナーズ」荒木優太さんインタビュー 学問はどこでもできる! |好書好日

    文:篠原諄也 写真:斉藤順子 荒木優太(あらき・ゆうた)在野研究者(専門は有島武郎) 1987年、東京生まれ。明治大学文学部文学科日文学専攻博士前期課程修了。2015年、第59回群像新人評論優秀賞を受賞。著書に『これからのエリック・ホッファーのために――在野研究者の生と心得』(東京書籍)、『貧しい出版者』(フィルムアート社)、『仮説的偶然文学論』(月曜社)、『無責任の新体系』(晶文社)など。 学校の外に面白いものがある! ――荒木さんが在野研究に関心を持ったきっかけを教えてください。 大学院の修士課程に行ったんですが、博士後期課程には落ちたんですね。その理由のひとつには、大学の指導教員が「教育免許を取らないと進学させてくれない」という方針をもつ方で、私は「教師になりたい」という意欲が全くなかったことがありました。 それで「どうしたもんかな」と思っていた時に、自分は教育に関してはやる気はな

    「在野研究ビギナーズ」荒木優太さんインタビュー 学問はどこでもできる! |好書好日
  • ゲイ男性との「恋愛感情抜きの結婚」を綴った能町みね子さん 結婚という概念をぶち壊したい|好書好日

    文:小沼理、写真:松嶋愛 能町みね子(のうまち・みねこ) 1979年生まれ。2006年にイラストエッセイ『オカマだけどOLやってます。』(竹書房)でデビュー。著書に『お家賃ですけど』(文春文庫)、『ときめかない日記』(幻冬舎文庫)、『私以外みんな不潔』(幻冬舎)など。執筆活動に加え、『久保みねヒャダこじらせナイト』(フジテレビ)、『すっぴん!』(NHKラジオ第一)水曜日パーソナリティーなど、テレビやラジオでも活躍している。 昔から恋愛がピンとこなかった ——『結婚の奴』では、ゲイライターのサムソン高橋さんとの「恋愛感情抜きの結婚」について綴っています。能町さんがこの結婚を思い立った経緯を教えてください。 もともと昔から恋愛がピンとこなかったんですよ。だから誰かと恋をして結婚をするのは自分にはないなと思っていたんですけど、数年前に突然「恋愛をすっ飛ばして結婚したい」という気持ちが湧き上がって

    ゲイ男性との「恋愛感情抜きの結婚」を綴った能町みね子さん 結婚という概念をぶち壊したい|好書好日
    chiezo1234
    chiezo1234 2020/01/31
    誰かと同居すれば仕事や生活を立て直せるんじゃないかと思ってました。でも、仲のいい女友達はだいたい結婚していてルームシェアは難しいし、かといって男性と一緒に暮らして恋愛めいたことになるのも避けたい