『これだけで、幸せ 小川糸の少なく暮らす29ヵ条』小川糸より 若いころとは違い、今は真剣に「ものづきあい」を考えるようになりました。より“楽に”そして“自分らしく”生きるために、誰のものでもない自分だけの「ものづきあい」をしていきたいと強く思うようになったのです。ともに年を重ねていき、私という人間の輪郭をより研ぎ澄ませてくれる。そんなかけがえのない「もの」に出合うための心がけをお話ししましょう。 ずっと気に入っていられる「定番ふきん」 日々の暮らしの中で接する道具や生活用品を選ぶ基準は、はっきり決まっています。できるだけ「長く使えるもの」「ずっと気に入っていられるもの」です。 たとえば、キッチンの流しの横の壁にかけている2枚のふきん。 友人がプレゼントしてくれた手織りの木綿のもの。しっかりとした丈夫な素材で縁の始末も美しく、吸水がよく、手にもお皿にもなじみます。1枚使ってみたらとても使い心