今週のコラムニスト:レジス・アルノー ある日の真夜中、私は凍りつくような寒さと妻と2人の娘が鼻をすする音で目を覚ました。自分の鼻の先を触ってみると、まるで氷のよう。数時間前にベッドに入ったとき、私はエアコンを付けるべきかどうかという、毎晩お馴染みのジレンマと闘っていた。エアコンを付ければ、頭の上で「ウー」という騒音が鳴り続け、東京電力の株主たちを喜ばせ、翌朝息苦しいほど乾燥した部屋で目を覚ますことになる。 それなら、エアコンを付けないでおくべきなのか。そうなればもう1度、バーチャル北極ツアーに出かける準備をしなければいけない。 私はベッドの中で、ガタガタ震えながら思った。「そうだ、ここは日本だった。G20で第2の経済大国でありながら、住宅環境はG20で最悪の、日本だった----」 欧米人の中には、日本の家をその小ささから「ウサギ小屋」と揶揄する人もいる。実はそれほど小さくないのだが(部屋が