2010年3月末に閉館した職業体験施設「私のしごと館」(京都府精華町、木津川市)の土地・建物について、所有者の国が、京都府に無償譲渡することがわかった。 譲渡は早ければ来夏の見通しで、府は農業や太陽電池の研究拠点として活用する方針。ただ、同館は雇用保険料収入の581億円を財源に整備されており、国は投じた費用を1円も回収できなくなる。 同館は独立行政法人「雇用・能力開発機構」(廃止)が2003年10月、関西文化学術研究都市にオープン。消防士、西陣織職人など様々な仕事を疑似体験できる施設を設けたが、人形に高額の予算をかけるなどしたため「無駄遣いの象徴」と批判を浴び、運営赤字も続いて、6年半で閉館した。 国は土地建物の売却を目指したが、これまで2度の入札で買い手は付かず、今も年約5000万円の維持管理費がかかっている。同館の早期活用を訴える府は、農業や太陽電池、スマートグリッド(次世代電力網)な