ようやく梅雨が明けて、蝉しぐれの勢いも最高潮の中、山辺町大蕨(おおわらび)の長岡さんのお宅を訪ねた。この地域は日本の棚田百選の地として知られ、実りを待つ田んぼが幾重もの層をなして、見事に集落に迫っていた。 「これが“おんなひょう”、そっちが“おとこひょう”だ。」と、畑を案内してくださったのは、ご主人の亮吉さん。とうもろこし、レタス、しそなどが整然と植えられている畑の至るところに、二種類の「ひょう」が自生していた。 「おんなひょう」とは、スベリヒユ(スベリヒユ科)のことで、一般的に「ひょう」と呼ばれ、県内全域で食されるもの。地域によっては、「すべらんしょ」とか「すべらん草」という呼び方をするようだ。赤い茎についた濃い緑色の肉厚の葉が、照りつける太陽の光をことごとく跳ね返していた。 「おとこひょう」とは、イヌビユ(ヒユ科)のこと。長い茎に大きな葉、先端には緑色の穂のような花がついている。
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