充電中の梅田望夫さんが、「シリコンバレーから将棋を観る--羽生善治と現代」(中央公論社)という本を書いた。 2008年は将棋という趣味に没頭できた最高の一年だったと述懐しているように、この本は結果的に羽生善治を代表とする日本の若い棋士たちの頭の中を探検し、優しく鋭いまなざしでその世界を描いた好著となった。 [rakuten:book:13155399:detail] 未来をイメージし、そこに向けての第一歩を踏み出している「ビジョナリー」たちの言葉に耳を傾け、未来の姿を考える、それが梅田の仕事であるが、今まではIT時代の最先端を走る人たちを追いかけてきた。今回は、日本の伝統文化の中に生き、もっとも日本人らしい生き方をしている棋士という若き人々の物語である。 将棋界最高のビジョナリー・羽生は、「知のオープン化」と「勝つこと」というインターネット時代の思想を体現している。自らの頭脳ををオープンに