東京大学 工学系研究科の染谷隆夫氏の研究グループは、高い電気伝導性をもちながらゴムのように引き伸ばすことのできる材料を世界に先駆けて開発し、これを用いた有機トランジスタ集積回路を実現しました。 近年、伸び縮みする導電材料の実現を目指して、カーボンナノチューブをポリマーに分散させる研究が行われてきました。しかし、ナノチューブが集まって凝集してしまうという問題のために十分な特性を得ることが出来ませんでした。染谷氏らは、ナノチューブをイオン液体に分散させたのちにポリマーと混ぜるという新しいアイデアによって、凝集の問題を解決しました。こうしてナノチューブを一様に分散させた材料は、最大70%引き伸ばしても電気的特性にはほとんど変化が見られません。 染谷グループは、このような伸縮性の材料で大面積の集積回路を作り、そこに温度センサー、圧力センサー、超音波センサー、光センサーなどを組み込む研究を行っ