いまさらだが2016年の大統領選挙におけるトランプ大統領の勝利は想定外だった。トランプ現象は、トランプ候補の勝ち負けにかかわらず重要現象であり、アメリカでなんらかの地殻変動が起きていることの兆候であろうということについては合意があった。しかし、そう認識することと、トランプ候補が選挙に勝つということは、まったく別次元の話だった。 日本では、おそらくヒラリー・クリントンが最善の候補であるということについてほぼ疑いはなかった。不満が残ったオバマのアジア重視政策(ピボット、リバランス)を、実質を伴ったものにし、さらに中国に対してよりタフになる。これがクリントンのアジア政策の大雑把なイメージだった。顔馴染みの「同盟ハンズ」がクリントン・チームのアジア政策を支えていたことも安心材料だった。 というわけでトランプの勝利が伝えられると日本に衝撃が走った。かくいう筆者もテレビの生放送中にほぼ言葉を失ってしま
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